研究者のための映像制作入門
ソーシャルメディア時代の研究アウトリーチ戦略
概要
- 映像のテーマと視聴対象を定める
- カメラ設定の基本
- レンズ,構図の基本
- ライティングの基本
- 音声収録の基本
- 編集の基本
- 参考になる学習リソースの紹介
当日の様子
講演者略歴(松山 洋一)
早稲田大学 実体情報学博士プログラムは,機械技術(=実体)と情報・通信技術の融合学として「実体情報学」を構築し,この新しい領域で技術や産業のイノベーションを先導することができる先見力,構想力,突破力を兼備した産学官いずれの立場からも産業創出を支えることのできる人材の育成を目指した大学院プログラムです.
マイケル・ファラデーの「ロウソク科学」については,松岡正剛氏の素晴らしいレビューがあります.ウィリアム・クルックスの書いた,本書への序文を転載します(角川の立ち読みサービスより).
ロウソクの科学 序文
原始時代のたいまつからパラフィンロウソクにいたるまで,その道のりの何と遠いことであろう.
その二つのあいだのへだたりの,何と大きいことであろう.
人間が暗夜にその家を照らす方法は,ただちにその人間の文明の尺度を刻む.
不細工な素焼のかわらけに赤黒い炎をあげて燃える東方の国の液状瀝青,精巧でもその役目を果しかねたエトルリア人のランプ,エスキモーやラップ人の小屋を光よりも悪臭で満たす鯨やアザラシや熊の油,きらびやかな祭壇を照らす巨大なワックスロウソク,この国の街路にならぶガス灯の列ーこれらのすべては,それぞれに語るべき物語をもっている.
もしも彼らに口がきけたなら,そして,それは彼ら自身の方法でできるのであるが,これらすべての灯火は人類の愉楽,家庭愛,勤労,そしてまた信仰にいかに奉仕したかを語って,われわれの心をあたためてくれるであろう.
先史時代に生きた火の崇拝者,火の使用者の幾百万の人のうちには,疑いもなく火の神秘について思いをめぐらしたいくたりかがいた.
おそらくは,いくつかの迷いなき心が,いちはやく真理のそばに近づいたことであろう.
人類が救いのない無知の中に生きた時代を思ってみるがよい.
一人の人間の生命がまたぐつかのまに,真理があばかれることを思ってみるがよい.
原子また原子,環また環と,論理の鎖はきたえられていく.
いくつかの環はあまりに性急に,あまりにか弱くつくられたためにこわれ,そして,よりよき細工におきかえられる.
しかしいまや,大いなる現象はすべて知られ,その輪郭は正しく確かにえがかれて,腕ききの画家たちがその余白をうめつつある.
この講演を修得する子どもは,火についてアリストテレス以上に理解する.
ロウソクはいまや,自然界の暗黒の場所を照らしだすためにつくられた.
吹管とプリズムとは,地殻に関する知識を追加しつつある.
しかし,たいまつの光,いや知性の光はまっ先にたたねばならぬ.
本書の読者のうちのいくたりかは,知識の蓄積を増すことに一生を捧げることであろう.
科学のともし火は燃えあがらねばならぬ.
炎よ行け.
W・クルックス(三石巌 訳)